熱気と冷水

写真は2014年、カンボジア。キリング・フィールドが観光地になっていてここで本当に虐殺が行われていたなんて信じられなかった。

公園に花見に行った日に母に頼まれて予約して温泉に行くことになった。どうも散々友人と行った時の自慢をしていたのが結構響いたらしい。その場で予約して次の日に行くことにしたので、普段遠出するときに必要な心の準備が出来ずによくわからないまま出発した。

専業主婦の母はまだしも、会社員の父は急に有給を使って弾丸旅行にいけるわけがないだろうと思っていたがそうでもないらしい。普段の仕事は毎日やることがあるタイプの仕事ではなく、出発の日は大事な会議のある日ではないので大丈夫だとのことだった。そうなんだ、と相槌を打ったがそんな仕事があるのかとびっくりした。今まで下っ端としか働いたことのない自分とはずいぶん世界が違った。

温泉は満喫できたと思う。サウナに入れたのがよかった。90℃のサウナの中で暑さに耐えながらじっとしている時間は正直あまり好きではないのだけれど、長く入っているとその分その後の水風呂が気持ち良いのでひたすらその瞬間を想像して我慢した。水風呂は10℃だった。当たり前だけど全身浸かるには冷たい。サウナ後の暖まった身体だとなおさらだ。でも思い切って浸かったあとに外気浴をすると最高に気持ち良い。冷水に浸かったはずなのに身体からはモヤモヤと熱気が発散されているような感覚になるし、これが自分の生気を吸われているのかと思うほど身体がゆるくなるのでおもしろい。

帰りは海の近くでカニを買って夕飯に食べた。カニと目があってしまい、この筋を収縮させて動いていたんだろうなと考えながら身を食べた。ごちそうさまでした。